「軽貨物ドライバーって、どのくらい費用がかかるんだろう…?」
軽バン1台で始められる手軽さが魅力の軽貨物配送ですが、開業にあたってはやはり最低限の初期投資が必要です。中古車購入やナンバー登録、保険の加入など、準備することは意外と多く、初期費用の見積もりをしっかり立てておくことが大切です。
この記事では、これから軽貨物ドライバーとして独立・開業したい方に向けて、「開業前」「稼働初期」「月額でかかる固定費」の3フェーズに分けて費用をわかりやすくまとめました。
実際の相場感も交えてリアルにお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
軽貨物開業に必要な初期費用とは?
軽貨物配送を始めるには、最低限の準備資金が必要です。このフェーズでは、ドライバーとして稼働を始める前にかかる代表的な初期費用を紹介します。
開業に必要な主な費用一覧(表または箇条書きで視覚化)
軽貨物配送の開業にあたって必要な費用は、おもに以下の項目に分かれます。自家用車の有無や働き方(副業/本業)によっても前後しますが、以下の項目をもとに目安を立てておくと安心です。
車両費用 | 〜100万円(購入 or リース) |
開業届・黒ナンバー届出 | 0〜3万円(自力なら無料) |
任意保険(事業用) | 月5,000〜10,000円 |
スマホ・通信費 | 月5,000円程度 |
作業備品 | 1万〜2万円 |
燃料費 | 5,000〜1万円程度 |
初期費用の相場感(副業/本業の場合)
軽貨物配送は副業・本業どちらにも対応できる柔軟な働き方が特徴です。ですが、初期費用にはスタイルによって差が出るのも事実。以下に、働き方別の費用目安を紹介します。
働き方 | 初期費用の目安 | 特徴 |
---|---|---|
副業 | 3万〜15万円 | 既存車の活用/ミニマム構成でスタート |
本業 | 20万〜100万円 | 車両新調+備品・保険も充実させる必要あり |
項目別に見る開業費用の内訳
軽貨物の開業資金は、“一括でドン”と必要なわけではありません。車両や保険、備品など、それぞれの項目に分けて準備していけば、無理なくスタート可能です。このパートでは、代表的な初期費用を項目別に詳しく解説していきます。
軽貨物車両(購入/リース費用)
配送に使うのは、「貨物(黒ナンバー)登録された軽自動車」です。
開業時点で自家用車(白ナンバー)を所有している場合は、条件を満たせば登録変更のみで対応可能です。
ただし、仕事で毎日使うことを考えると、耐久性や荷室スペースを重視して新たに軽バンを調達する方が多数派。以下のように、主に3つの選択肢があります
方法 | 費用の目安 | 備考 |
---|---|---|
中古軽バン購入 | 40万円〜80万円 | 年式・走行距離により差あり |
カーリース(月額) | 月3万〜5万円 | 初期費用ゼロでのプランも |
登録変更のみ | 5,000円〜1万円 | 所有車が条件を満たしている場合 |
「貨物軽自動車運送事業経営届出書」提出にかかる費用
軽貨物配送を始めるためには、**営業ナンバー(黒ナンバー)の取得が必要です。
そのための最初のステップが、「貨物軽自動車運送事業経営届出書」**の提出です。
この届出は、あなたの軽バンが「営業用の車両」として正式に認められるためのもの。
手続きはとてもシンプルで、必要書類をそろえて管轄の運輸支局に提出するだけです。
主な提出書類
- 使用する軽バンの車検証のコピー
- 本人確認としての運転免許証のコピー
- 署名欄に使う認印(シャチハタは不可)
- 地域によっては印紙代や登録手数料が必要
費用目安
内容 | 費用の目安 |
---|---|
登録手数料 | 0円〜数千円(地域差あり) |
印紙代など | 一部の運輸局で必要になる場合あり |
届出自体は無料のことも多いですが、念のため提出先の運輸支局に事前確認しておきましょう。
詳細な提出ステップや注意点は、別記事【貨物軽自動車運送事業経営届出書とは?】で詳しく解説しています。ぜひご確認ください!

任意保険(事業用)の費用
軽貨物配送を黒ナンバー車両で行う場合、自家用の任意保険では補償されないため、事業用の任意保険に加入する必要があります。
個人事業主であっても、事故が起きた際には高額な賠償責任が生じるケースもあるため、補償内容はしっかり確認しておくのが重要です。
任意保険のチェックポイント
項目 | 説明 |
---|---|
対人・対物賠償 | 無制限が望ましい。事故時のリスクに備える |
自損事故補償 | 単独事故(電柱や壁に接触など)での補償有無 |
車両保険の有無 | 車両の修理代の補償(中古車なら省くケースもあり) |
代車特約 | 修理期間中の代車の有無(稼働停止による減収) |
保険料の目安
- 月額:5,000円〜10,000円前後(等級・補償内容・地域により変動)
- 年間では6万〜12万円程度が想定されます
一括見積もりサイトや軽貨物専門の保険代理店を活用すると、コストと補償のバランスがとりやすくなります。
備品・装備にかかる費用
実際の配達業務をスムーズにこなすには、最低限の備品や装備を整えることが欠かせません。
高額な設備は必要ありませんが、「あると便利」なグッズを揃えることで、疲労やストレスを軽減できます。
備品/装備 | 解説 | 費用目安 |
---|---|---|
スマホホルダー | 地図・配達アプリの使用時に必須 | 1,000〜2,000円 |
モバイルバッテリー | 長時間稼働時、電池切れ防止 | 2,000〜4,000円 |
軍手・作業グローブ | 手の保護 | 500〜1,000円 |
レインコート/雨具 | 雨の日の作業に備えておくと◎ | 2,000円前後 |
車内仕切りマット・棚 | 荷崩れ防止、配達順の荷物整理に便利 | 3,000〜5,000円 |
書類・伝票ケース | 配達先リストや申込書を保管するための収納 | 1,000円前後 |
軽貨物に特化した装備を取り扱う通販サイトも多数あります。実際に配達を始めてから「必要だな」と感じたものを随時追加していくのがおすすめです。
月々のランニングコストにも注意
軽貨物配送は、始めるときの初期費用だけでなく、月々の維持費(ランニングコスト)も無視できません。
毎月どれくらいの出費があるのかを把握しておくことで、「黒字経営」が安定しやすくなります。
特に注意したい主なコストは以下の3つです。
① ガソリン代の目安
軽貨物ドライバーの出費で最も大きな割合を占めるのがガソリン代です。
- 1日の平均走行距離:
- 50km〜150km
- 燃費(軽バン):
- 10〜15km/L
- ガソリン価格:
- 1Lあたり160〜180円(2025年現在)
月のガソリン代の目安
稼働日数 | 想定走行距離 | 月のガソリン代 |
---|---|---|
週2日(副業) | 約400km | 約5,000〜7,000円 |
週5日(業務委託) | 約1,200km〜1,500km | 約15,000〜20,000円 |
フル稼働 | 2,000km〜以上 | 約25,000〜30,000円以上 |
燃費やルート管理の工夫(最短距離配送)で、月5,000円以上の差がつくことも。
② 駐車場代・メンテナンス費
自宅に駐車スペースがない場合や、都心部で稼働する場合、駐車場代がランニングコストに加わります。
また、長距離・毎日の稼働でオイル交換やタイヤ交換など、メンテナンス費用も定期的に必要になります。
目安コスト
項目 | 月額の目安 | 備考 |
---|---|---|
駐車場代 | 5,000円〜20,000円 | 地域によって差が大きい |
オイル交換 | 2,000〜3,000円/月 | 月1回〜2ヶ月に1回で換算 |
タイヤ交換・整備 | 年間数万円 | 1ヶ月あたりで換算すると2,000〜4,000円 |
定期的な整備を怠ると、車両トラブルで配達停止になり、 売上減少につながるリスクもあるため、定期的な整備は実施することをお勧めします。
③ 確定申告・帳簿管理コスト(会計ソフト利用など)
軽貨物ドライバーは個人事業主として開業する人が多いため、帳簿管理や確定申告は必須です。
日々の売上・経費を記録しておかないと、後から集計に膨大な時間がかかり、申告ミスや控除漏れにつながることも。
会計管理に関わるコスト
方法 | 月額費用 | メリット |
---|---|---|
無料のエクセル記録 | 0円 | コストゼロだが、手間がかかる |
クラウド会計ソフト | 月額980円〜2,000円 | 自動仕分け・確定申告まで対応 |
税理士に依頼(希望者) | 年間5万円〜10万円 | 手間ゼロだがコストは高め |
初心者のうちは、クラウド会計ソフト(例:freee、マネーフォワード)を使うのがバランス◎。
「初期費用ゼロ」で始める方法はある?
軽貨物配送を始める際、「車両購入や保険で何十万円も必要になるのはちょっと厳しい…」と感じる方も多いでしょう。
ですが、近年では、できる限り初期費用を抑えてスタートできる方法も増えてきています。以下のような選択肢を上手に活用すれば、費用を抑えてスムーズに開業することが可能です。
カーリースを活用する
軽貨物事業者向けに月額3万円〜5万円程度で契約できるカーリースサービスが登場しています。
頭金・ボーナス払い不要で、黒ナンバー登録済の車両がそのまま使えるプランもあり、手間もコストも大幅にカット可能です。
- 【 メリット 】
- 初期費用ゼロ・車検や整備込みのプランも多い
- 【 注意点 】
- 契約期間中の途中解約に違約金が発生する場合もあるので確認を
委託会社の支援制度を利用する
一部の配送業者(業務委託元)では、以下のような開業支援制度を設けていることもあります。
- 車両の無償貸与 or 割引リース
- 登録・届出の代行支援
- 初月報酬の前払い制度 など
このような制度を利用すれば、開業ハードルを一気に下げることが可能です。
中古車や補助制度を活用する
- 中古の軽バン(40万〜60万円)を選ぶことでコストを抑える
- 地方自治体で実施される小規模事業者向けの補助金制度を利用する
補助金については時期や地域によって内容が変わるため、自治体の産業振興課や商工会議所に事前確認するのがおすすめです。
まとめ|必要な費用を知って安心スタートしよう
軽貨物配送を始める際、「ざっくりいくら必要なのか?」が見えてくるだけで、気持ちにも余裕が生まれます。
とはいえ、初期費用や月々のランニングコストは人それぞれ異なるもの。リースか購入か、副業か本業かでも必要資金は大きく変わってきます。
そこで大切なのが、「自分の場合はいくらかかるのか?」というシミュレーションです。
まずはこの記事で紹介した費用を参考にしながら、自分の生活スタイルや働き方に合った開業プランを立ててみてください。特に副業から始める方は、「どこまで出費を抑えてリスクを減らせるか」が継続のカギになります。
しっかり準備しておけば、軽貨物配送はローリスク&ハイリターンな働き方の一つ。
この記事が、あなたの第一歩の後押しになれば幸いです。
それではまた!
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